Yahoo!知恵袋に投稿した回答が削除された。削除というのは運営側から一方的に削除するケースで、投稿が規約違反であると判断されたことになる。とはいっても、カテゴリが間違っているようなものから違法行為であるものまで幅がある。今回削除された理由は「不適切な情報を含んでいるとみなされました」となっていた。
最近、この理由で削除されることが多い。しかも、どこが不適切なのかが分からない。本人は全集中して適切な投稿を書いているつもりなのだ。
一つ怪しいと思っているのが単語である。特定の単語が含まれている場合に自動的に人工知能が削除しているのではないか、という疑惑である。というのは、回答に「工作員」という言葉が入っている投稿が一度に数件削除されたことがあったのだ。今Yahoo!知恵袋に残っている他の人の投稿を見ると「工.作員」という言葉が出てくるのが分かると思う。これは一体…
削除された内容には工作員という言葉は出てこない。「刑場」が微妙に怪しいかもしれないが、流石にそれはないと思う。それを言ったら工作員というのも怪しい言葉ではないのだが、悪質な投稿に多く含まれていたら機械学習が勝手に進化するという可能性は否定できないような気がする。
余談はさておき、今回削除された回答は、質問も削除されているのでもはや参照できない。しかし、そのような時のために、どんな質問か分かるように回答を書いているので、今回削除された回答を最後に全部転載してみよう。何の質問にどう答えたか分かると思う。
この内容のどこが「不適切な情報」なのかが分からないのである。どこをどう改善すれば削除されなくなるのか、想像できないのだ。話題は大学入試の現代文の話で、質問に「走れメロス」が出てくるのでそこに突っ込んだ内容になっている。文体も「走れメロス」に微妙に合わせてあって、これを書いた時はかなり時間をかけた記憶がある。「詭弁としか…」は、森見さんのメロスに詭弁部が出てくることを知っていたら笑えるはずだ。最後の「赤面しろ」は走れメロスを読んだことのある人は理解できるだろう。
投稿したのは 2016年3月5日。なぜ今頃削除されるのかということも謎なのだが…。もしかして太宰からクレームでもあったのかもしれない。
もちろん、私の回答している内容そのものが間違っている、つまり「約束を守るため」が正解で「信じられている」は間違いだ、というのであればこれは赤面するしかない。それなら納得できる。回答失格だ。
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「現代文のテストで、小説を出題する意味がわからない」
そういう生徒を落とすのが目的だ。
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「模範解答には出題者の主観が入ってしまう気がします」
気のせいだ。主観は入らない。
「作家が作品について語るはずがない」
そうとも限らないが、別に否定はしないよ。
「模範解答なんかないのでは?」
ある。
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「走れメロス」
それは大好きな作品だ。ブログに書評を書いた。森見さんのも書いた。
「「なぜメロスは走ったのか」と出題されたとします」
ふむ。
「「セリヌンティウスとの約束を守るため」みたいなことを書いておけば正解でしょうけど」
×
不正解。
そんなことはどこにも書いてない。ちゃんと読め。ちなみに、メロスが走る理由は前半と後半で違うぞ。後半はここがキーだ。
『「やめて下さい。走るのは、やめて下さい。いまはご自分のお命が大事です。あの方は、あなたを信じて居りました。刑場に引き出されても、平気でいました。王様が、さんざんあの方をからかっても、メロスは来ます、とだけ答え、強い信念を持ちつづけている様子でございました。」
「それだから、走るのだ。信じられているから走るのだ。間に合う、間に合わぬは問題でないのだ。人の命も問題でないのだ。私は、なんだか、もっと恐ろしく大きいものの為に走っているのだ。ついて来い! フィロストラトス。」』
(走れメロス、太宰治著、青空文庫)
「信じられているから走る」と書いてあるだろ。つまり、正解は「(友に)信じられているから」だ。迷うとしたら「もっと恐ろしく大きいものの為に」だろ。
ちなみに森見さんのはもっと厳しいぞ。
「それだから走っているのだ。芹名はいっさい承知の上だ。彼には俺というものが分かっている。これは信頼されていないという形をとった信頼、友情に見えない友情だ。」
(走れメロス、森見登美彦著、角川文庫、p.135)
ま、詭弁としか…
「「刑場の観衆から喝采を浴びるため」と書いたら恐らく不正解」
それはあなたが正解だと思った解答と同じレベルの間違いをしている。
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「小説を読む上で、そういった解釈もできるでしょうし、もしかすると太宰自身そう思いながら書いたかもしれない」
そんなことはどうでもいいのだ。自分がどう思うとか、作者がどう思ったとか、そんなことは問題ではないのだ。日本語として、現代文として、どう書いてあるのか、その表面だけが問われているのだ。
「そういった幾多の解釈のうち一つだけを正解」
あなたのイメージしているのは妄想であって解釈ではない。自分の想像と解釈は別の次元のものだ。
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「こういった現代文の教育をすることに意味があるのか」
もちろん、何かを想像することも重要だし、読んだ人がどう感じるか、作者が何を言いたいのか、それは本質的に最も重要なことかもしれない。
でも、そんなことを質問にしたら、誰も答えられないし、どんな答も正解になってしまうだろ?
それに、何をどう解釈するにしても、その前提となった文章が正しく論理的に理解できていないと、正しい想像ができない。なぜメロスが走ったのか。その理由がどこにも書いてないとおかしい。どこに何と書いてあるのか。入試が問うのはただその一点だ。
現代文というのは、文章を理解する以前の、そのレベルの「イメージ以前」のスキルがまず必要で、それがあって初めてその先に自分のイメージや想像力を付け足す二段階構造になっている。入試で問われるのは前段だけだ。だから、客観的な正解を1つに絞ることができるのだ。
分かったらひどく赤面しろ。
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