行動よりも言動が重要
失言で復興大臣が辞任という情けない事態になっているが、大臣の仕事はスピーチすることではなく本来の実務を指示することのはずなのに、復興大臣が何をしてきたという実績について何の議論も出てこないというのが、いかにも日本らしいと思う。何が出来るか、何をしたかという能力や実績よりも、何を言ったとか、表現が不適切だというコミュニケーション能力の方が、日本では圧倒的に重要な問題なのだ。
今回の失言は次の通り。
「社会資本等の毀損(きそん)も、いろんな勘定の仕方があるが、25兆円という数字もある。これがまだ東北で、あっちの方だったからよかった。けど、これが本当、首都圏に近かったりすると、莫大(ばくだい)な、甚大な被害があった。復興予算が32兆円。おかげさまで道路や住宅の高台支援は着々と進んでいる。」
今村復興相:「東北でよかった」発言と記者団への一問一答 - 毎日新聞
( https://mainichi.jp/articles/20170426/k00/00m/040/097000c )
要するに、もっと首都圏に近いところで地震があったら損害はさらに大きくなる、ということを言いたいのだろう。だったらそう言えばいいだけのことなのに「よかった」のような言葉を使うから話が通じなくなる。日本には忌み言葉とか言霊というような文化もあるのに、なぜこういう無神経な表現が出てくるのか理解できない。
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