飴と鞭
5月18日の「さんまのほんまでっかTV」で、マウスの迷路学習実験の話題があった。うろ覚えだが、概要は次の通りである。
(1) 成功したら餌を与え、失敗したら罰を与える
(2) 成功したら餌を与える。失敗したら何もしない
(3) 成功したら何もしない。失敗したら罰を与える。
その結果、最も成功するように学習したのは(2)の餌を与えるだけで学習させたマウスだった。失敗したときに罰を与えると、怖がって迷路に入らなくなるというのだ。
なので、何かを教える時には報酬だけ与え、罰則はない方がいい、という結論になっていたと思う。
出演者はそれで納得していたようだが、それは思考が足りない。もちろん出演者にシナリオ通りの反応が強制されていたのかもしれないが。
この実験でまず言えるのは「成功する」ことをゴールとした学習には報酬のみ与えるのがいいということだ。そこは否定しない。
もう一つ。「失敗しない」ことをゴールとした場合は、罰を与えることで期待した結果が得られる可能性が高い。成功時に餌を与えてさえ、失敗時の罰によって、マウスは失敗を恐れて迷路に出ていかなくなったのだ。この実験からは、何かを禁止させたい場合は罰則が有効であると考えるべきだろう。
子供が車の前に急に飛び出した時に怒るとアメリカでは虐待になるそうだが、マウスの実験から考察すれば、危険を回避させたい場合は理屈で納得させるよりも怒って怖がらせた方が飛び出さなくなるのではないか。
| 固定リンク
コメント