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センター試験のムーミンの大阪大学の見解が尖りすぎている件

センター試験の地理Bの問題でムーミンなどのアニメが使われたことが話題になっている。この問題に対して、大阪大学の准教授が次のように指摘したという報道があった。

「スウェーデン語系フィンランド人作家が、スウェーデン語で書いた一連の物語の舞台は、架空の場所のムーミン谷とされる。フィンランドが舞台だと明示されていない」
「ビッケもノルウェーが舞台とは断言できない」

大阪大研究室がセンター試験のムーミン舞台を疑問視 地理Bの設問に指摘 - SankeiBiz(サンケイビズ)

センター試験の目的は、受験生が大学に入学する前提として、高校までの教育で適切な知識を得ていることの確認である。 今回の問題はアニメの分野ではない。地理の問題なのである。 出題意図は、 アニメーションやその原作に対するカルトな知識を問うのではなく、 出題された情報をヒントに地理の知識を使って合理的な判断ができるかどうかを問うものであろう。

実際、今回の問題は「ムーミン」も「小さなバイキングビッケ」も、一度も見たことがなくても解けるように作られている。 具体的にいえば、「バイキング」という言葉から適切な国を導き出すための知識を持っていることを確かめるのが目的であり、 このアニメや原作がどのような背景を元に作られたかを尋ねているのではないのである。 准教授の主張するように「小さなバイキングビッケ」の舞台がノルウェーと断言できないことが仮に事実だとしても、この作品が他の国を想定していることが周知の事実でない限りは、基本的な地理の知識と合理的・論理的思考でノルウェーが舞台であろうという唯一の正解を導くことができるのだから、十分に地理の問題として成立しているというべきである。

大阪大学といえば、昨年の物理の入試問題で誤採点が発生し、合格者を誤って不合格としていたことが大きな話題となった。

問題が明らかになったのは、前回の入試から一年弱も経過した2018年1月6日である。 この時点になって、昨年何度も指摘されていた解答が正しいことを公式に認めた。 追加された解答の正当性は高校で学ぶレベルの知識でも明白に判断できるが、ここで、当初発表していた正解は正しいのかという疑問が生じた。それも正解であると発表されたのである。

ネットでも各種の疑惑投稿が見られて混乱状態だったが、 これに関して、大阪大学は1月12日に公式の解説を発表した。 その「3 再採点における考え方」では、理由を次のように説明している。

A-III.の問4では振動モードを特定していなかった。しかし、問5においては同位相振動モードで振動していることを前提として問題が作られていた。 A-I. を踏まえて問4を逆位相振動モードで考える受験生もいれば、問5の設問内容から問4を同位相振動モードで考える受験生もいたと思われる。

平成29年度大阪大学一般入試(前期日程)等の理科(物理)における出題及び採点の誤りについて【1月12日追記あり】 — 大阪大学のうち、理科問題(物理) 〔3〕Aの解説(1月12日追記) ( http://www.osaka-u.ac.jp/ja/news/topics/2018/01/files/0112_03 )

私は現在の高校教育に関してよく知らないのだが、おそらく音叉の振動における同位相振動モード逆位相振動モードという現象が高校レベルの授業で説明されているのだろう。私の時代はそんなことは教わった記憶がないのだが、ともかく、教授の解釈では、問5の設問内容から問4を同位相振動モードで考える受験生もいたと想定しているのだ。

ちなみに、私の想像では、問4で最初の解を導いた受験生は、縦波(粗密波)である音を誤って横波であると解釈してしまい、壁を固定端(実際は自由端)として反射した場合に位相が反転する前提で計算したのではないかと思っている。つまり単純なミスだ。

しかし、受験生の頭の中よりも注目すべきことがある。先に紹介した大阪大学によるドキュメントには「音叉の基本的な振動モードは一般に逆位相モードであり」と書かれている。この説明の通りであれば、大阪大学は当初、同位相振動モードという通常見られない珍しい振動モードだけを想定して正解としたことになる。なぜ一般的な振動モードを無視して、そうでない振動モードだけを正解にしたのだろうか。極めて不可解ではないか。

あくまで個人的な妄想だが、私は最初、このような裏があるのではないかと考えていた。

大学の教授達は最初、この問題を正しく考えることができなかった。音が縦波であることを理解していなかった。高校生レベルの問題なのに間違えて、音を横波として問題を作成し、それだけを正解とした。

後からそれが違うということを理解し、元の解答が間違っていることも理解した。しかし、それを認めると、大学教授という地位も大阪大学という権威も失われてしまう。最初の解答は何が何でも正解としなければならない。そこで、最初の解が成立するような壁を実際に作って検証しようとした。問題文には固定壁と書いてあり、これは音のような縦波であれば一般に自由端となるのだが、これを固定端とするような素材があれば最初の解答の説明が付く。もちろん、これはそう簡単な話ではない。助教も助手も総動員して夢の素材を開発するために24時間体制で世界中から文献を調べまくっていたところ、当初の解答が成立するようなレアな条件をたまたま発見した。

…しかし、よく考えてみればみるほど、ドラマじゃあるまいし、そんなことはあり得ない。いくら何でも大学教授が縦波と横波を取り違えるわけがないからだ。ではなぜ最初の解答で逆位相振動モードを無視したのだろうか。その疑問は残ってしまう。

余談はさておき、大学入試の目的は、受験生の知識や考察力を適切に判断することである。アニメに対するカルト的な知識を評価したいのではないはずだ。しかし、そもそもの大学入試の意義や本質を無視して、非本質的な些事に拘わるのが大阪大学の学風だというのなら、それはそれで構わないと私は思う。大学が非個性的で屁理屈も言えない世界であるならば、そんなのは面白くも何ともないではないか。

もちろん受験生にとってはたまったものではないだろう。余計な屁理屈で世間を混乱させる位なら、いびきをかいて寝ていてくれた方が随分有り難いと思っているに違いない。

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