« サバの呪い | トップページ | YouTube に接続できるようになった »

不正を守りたがる人達

2/1の19:00~20:00のTOKYO FM、TIME LINE という番組で話題になった「生活保護なめんなジャンパー問題」について書いておきたい。

最近話題になっているようだが、私にはこれが全く理解できない。ラジオでは例えば次のような言葉が出ていた。

「このジャンパーが放置されていたのは驚愕」
「第三者的におかしいと思う人がいなかったのかな」
「どこが悪いのだという反応は驚き」
「生活保護以外にも不正受給はある」

最後の主張は論外のような気がするのだが、これはスルーしておこう。で、私はここに出てくる第三者の立場だと思うが、未だにどこがおかしいのか全く分からない。

このジャンパーに反対する人の主張は、要するに「正当に生活保護を受給している人達の権利を侵害している」というのだ。

ちなみに、ラジオでは、高齢者の生活保護者が増えているとか、ケースワーカーが少ないとか、ベーシックインカムとか、そのような、不正受給と無関係の話ばかりしていた。

しかし、このジャンパーは、生活保護を不正に受給して不当な利益を得るのはクズだと書いてあるのであって、正当な受給を批判しているわけではない。

Finding injustice of them, we chase them and
Punish injustice to accomplish the proper execution.

不正行為は探し出し、追求し、適切な処分を行って不正を処罰する

このように書いてあるジャンパーに反対するというのは、「不正」を支持しようとしているとしか思えない。だから、ここから先は、この種の人達のことを、生活保護不正受給賛成派と呼ばせていただく。

私の感覚では、不正を防ぐという発想は、当たり前のことなのである。しかし、生活保護不正受給賛成派の人達は、不正を擁護しようとしている。この、不正を支持しようという感覚は、一体どこから出てくるのだろう? そこが想像できない。

*

そういえば、生活保護を不正に受給している人は、金額ベースで約0.5%、という数字がよく出てくる。この「金額ベース」って何のことだ分かりますか。

その前に先に書いておく。生活保護不正受給賛成派の人達の主張は、0.5%がものすごく少ないというような言い方をする。

私の感覚では、0.5%というのは物凄く多い数字だ。

例えば、あなたの世帯の年収が500万円と仮定する。平均年収ってもう少し少なかったかもしれないけど、共働きとかバイトもあるだろうし、ざっくり計算だから見逃して。0.5%は、そのうちの 25,000円だ。では、あなたの世帯収入のうち不正に得たものは 25,000円もあるか?

不法とまでははいわない。不正でいい。例えばお釣りが間違っていたけど気付かなかったとか。

個人的に感覚としては、不正に得るというような金額の割合は、0.1%とか、0.01%とか、そういう数字であるべきだと思うのだが。0.5なんてのは物凄く大きくて、何とかしないといけないレベルではないのか。

*

話を「金額ベース」に戻す。

○○している人の割合を知りたい、という場合、普通は人数を数えると思う。しかし、生活保護不正受給賛成派の人達は、必ずこの金額ベースを持ち出してくる。理由は簡単だ。人数ベースだと、生活保護を不正に受給している人は、2.2%に増えてしまうからだ。

つまり、できるだけ数字を少なく見せるために、大きい数字を隠しているのである。

(※ラジオでは世帯ベースの数字も紹介されていた。金額ベースは 0.47% という数字を紹介していた。)

具体的な数字も出しておこう。出所は、平成26年8月の総務省行政評価局が発表した生活保護に関する実態調査 結果報告書」である。ちなみにこの報告書は 278ページある。

総務省|生活保護に関する実態調査 <結果に基づく勧告>:

生活保護に関する実態調査 結果報告書(PDF)全体版

平成23年度
被保護世帯数 260,125
不正受給件数 5,652
割合 2.2%

平成24年度
被保護世帯数 265,462
不正受給件数 6,683
割合 2.5%

(p.55 表2-(1)-エ-⑧ 世帯類型別被保護世帯数(1か月平均)に占める不正受給件数の推移)

ちなみに、0.5%は、具体的な金額としてはいくらだろう。次のように書いてある。

「平成23 年度は、不正受給件数が3万5,568 件と14 年度(8,204 件)の約4.3 倍に増加し、不正受給金額は、173 億1,299 万円と14 年度(53 億6,065 万円)の約3.2 倍に増加しており、不正受給1件当たりの不正受給金額については、約49 万円と14 年度(約65 万円)と比べ減少している。」
(p.23)

約173億円だ。これが少ないという感覚も、どうも納得できないが、一つ計算してみよう。

17312990000 ÷ (260125-5652) ≒ 68000

不正受給がなかったら、1世帯あたりあと6万8千円、支給額を増やせたことかになる。金額を出したいのなら、こういう数字も紹介してほしいものだ。ちなみに、不正受給額って回収できているのだっけ?

*

不正を糾弾するという行動に対して、正当な人の権利を侵害しているというわけのわからない批判をする風潮は、生活保護以外にも見られる。いま旬なのは、トランプ氏の入国禁止政策への批判である。

トランプ大統領の主張は、「不法な移民やテロリスト」の入国を阻止するために、審査を厳しくする、そのための態勢が整うまで一時的に入国を停止する、というものなのだが。

これに対する反論は「イスラムに対する宗教差別」であったり「難民への圧力」という主張になってしまい、不法とかテロという大前提がどこかに消えてしまうのである。

テレビで、入国時に拘束されたと激怒していた人が紹介されていた。この報道は印象的だった。だって、その人はインタビューの時点でアメリカ国内に既に入っているのだから。

*

ラジオでは「最低限度の生活」という言葉が出てきた。

昔、生活保護の実態を報道していた番組を見たことがあった。生活保護を受けている人達は、私よりも豪華な弁当を食べて、私がお金がなくて買えなかったゲームソフトを持っていた。

|

« サバの呪い | トップページ | YouTube に接続できるようになった »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/3035/64846250

この記事へのトラックバック一覧です: 不正を守りたがる人達:

« サバの呪い | トップページ | YouTube に接続できるようになった »