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経験というもののあやふやさ

昨日、道を歩いているときに、急に前を歩いていた女性がふらついた。

ヒールが折れたのかと思った。そういうシーンを見た経験が少なからずあるのだ。最近だと、新橋の駅で駆け込み乗車しようとした女性のヒールが折れて目の前で転倒したということがあった。駅員がそばにいたし、こちらも急いでいたので、見なかったことにして通り過ぎたのだが。

そういう印象があったので、その人の靴に何かあったのか、と思ったのだが、違った。

同じところに来て分かった。自分もふらついたのである。歩道に敷き詰めるようにして埋め込まれているブロックが、そこだけ不安定なのだ。たかが1cmかそこらのブレだと思うのだが、踏んだ瞬間に沈むからびっくりするのである。

前の人がぐらついたときに、それを予想できたら意識して歩けたはずなのだが、そこまで瞬時に判断するのは無理だと思う。しかし一度経験したから、次は大丈夫なのかもしれない。

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