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書評: 怖い絵


怖い絵 中野京子著、朝日出版社、ISBN978-4-255-00399-3


表紙がラ・トゥールの「いかさま師」である。この絵はたまたま上野に来ていたときに見たことがあって覚えているが、そんなに怖い絵ではない。それをあたかも滅茶苦茶怖いように解説しているあたりが怖いのだが、まあ確かに眼つきが怖いんじゃないかと言われたらそうかもしれない。


この本には20の作品が紹介されている。前述のように、パッとみて怖さが分からず、本文を読んでみて成程怖いかもしれないと思うようなのもあるのだが、もちろん中にはパッと見ただけでも明らかに怖いのもある。「我が子を喰らうサトゥルヌス」のようなのはもちろんとして、例えば3番目に出てくるムンクの「思春期」もそうだ。本文中にはあからさまに書いてないのだが、少女の横に湧き出ている黒い影の中には亡霊のようなものがいくつも見える。

神秘主義に傾倒していたムンクは、当時さかんだった心霊写真からこうした形態を思いついたと言われているが、


(p.41)


いわれを言われるまでもなく、心霊写真好きな日本人なら一目で分かるに違いない。ということで、この絵は怖いのである。怖いといえば、このような絵は今では描くことすらできないだろう。仮に描こうとしたら警察が飛んできて青少年保護条例とか何とかで逮捕されるだろう。もしかするとこの絵を持っている(所持)だけで逮捕される県があるかもしれない。そう思えばとても怖い。


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