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後部座席の人はシートベルトをしない方が事故にあう確率が低くなる件

ふ「ということで、So-net blog の「今日の戯言」の話の続きです。 暇な方は「車の後部座席でシートベルトをしていないとどうなるかを再現する実験が丸の内で」 を先に読んで騙されておいてください。

U「騙…、いやそういえば、明日から義務付けられるということで、 各社報道に似たような記事がたくさん出てました。 こちらの話題が既に時事評論じゃなくて極論コラム系になりつつあるので、 ココで話の続きをします。

ふ「数字をまとめておくと、まず、後部座席に乗っている人について、 シートベルトをしていた人の致死率は 0.10%、 していなかった人の致死率は 0.53%、 つまり、シートベルトをしていないと致死率は5倍、となっています。 後部座席シートベルト着用キャンペーン/独立行政法人自動車事故対策機構 NASVA(交通事故)

U「はて、毎日.jp の記事には

警察庁によると、後部座席の非着用者の事故致死率は着用者の約4倍に上る。

U「と書いてあるのだが、4倍と5倍はずいぶん違うような。

ふ「警察庁の資料というのが何なのか書いてないので検証しようがないのですが、 資料を紹介しておきます。 http://www.npa.go.jp/koutsuu/kikaku69/sb.pdf です。 これによれば、 後部座席同乗者の致死率は 0.09 : 0.34 ですから、約 3.8 倍ですね。

U「なるほど、4倍という根拠はそれなんですね。 だから後部座席でもシートベルトしろ、と。

ふ「しかも、法的にも義務付けられます。 さて、同じ調査によれば、 後部座席でシートベルトをしていた人は一般道の場合 8.8%、 高速道路の場合 13.5% となっています。

U「ニュースにも出てくる数字ですね。

ふ「 先程のデータには、高速で何人死亡したかまでは分からないので、 ちょっとイカサマですが、8.8% という数字を使って計算してみます。 後部座席の死者はシートベルト着用時には21名、非着用時は162名。 仮にシートベルトをしていた人と同じ割合で死者が出たら217.6名になる計算だが、 実際はそれより少ない162名なのだから、 後部座席でシートベルトを着用した場合、着用しない場合よりも死亡率は高い、 という結論を出しました。

U「常識的に考えると、これはおかしい。 シートベルトをしていた方が、していないよりも安全に決まっていると思うのですが。

ふ「一般にはそう言われています。 もっとも、 シートベルトをしていたために腹部が圧迫されて内臓が…というような事故もあるかもしれない。 実際、実験時にその種の危惧が指摘されているようです。

U「まあでも、そんな衝撃が加わるのなら、 シートベルトしていないと車内のあちこちに激突して腹部どころじゃないですから、 どっちみち助からないのでは。

ふ「確かに。 もっとクリティカルなのを想像すれば、 海に落ちてしまって、シートベルトが外れなかったために溺死するとか、 地上でも、事故の衝撃でロックが外れなくてもたもたしているうちに出火・炎上して焼死してしまうとか。

U「論理的にシートベルトをしていたために死亡する、というような例は考えられる、 ということですね。

ふ「頻度はおいといて、可能性としてはあるでしょうね。

U「話を戻しますよ、 計算上、シートベルトをしない方が死ぬ確率が低いが、致死率は高い、 というヘンな結論になったとして、 そのココロは?

ふ「そもそも、シートベルトをしているのとしていないのとでは、 事故率が違う。

U「運転手のシートベルト着用率は95%ですね。 これから計算して死傷者数を比較してみると、 運転者着用の死傷者が496,201名。非着用は11,978名。 もし同じ割合で事故が発生したとすると、

496,201 × (5 / 95) = 26,116

U「しかし実際の死傷者は11,978名で約半分程度、 ということは、 シートベルトを着用していないと、 事故に遭う確率が着用時の半分程度になっている。 つまり、シートベルトをしていない方が事故に遭わないってこと?

ふ「 シートベルトが動きの邪魔になったために事故回避できなかった、 というようなこじつけは可能です。 ていうか、そもそもシートベルトをすれば事故が発生しないとかするとか、 そういう考え方がおかしい。

U「シートベルトに事故防止効果がある訳じゃないからね。 事故るときはシートベルトしていても事故る。

ふ「ただ、全く関係ないかというと、そうでもないかもしれない。 例えば、シートベルトをする人は安全運転する傾向があるかもしれない。 その結果として、シートベルトをしている人の事故率が少なくなるでしょう。 つまり因果関係がなくても相関関係はあるかもしれない。

U「あるいは、運転手自身が危険度が高いと思ったのでシートベルトを着けるような場合。 この場合は当然、事故率も高くなる。

ふ「昔は交通戦争なんて言葉があったんですけどね。 武士だって日頃リラックスしているときは普段着でのんびりしている。 これが戦争に行く時は甲冑を着ける訳です。 そして戦場に行って怪我したり、殺されたりする訳ですが、 では、鎧や兜を装着したら危険なのかというと、 そうじゃなくてむしろ安全なのですが、 それを着けてわざわざ超危険な場所に行くのだから、 結果的にその状態での事故率は、普段着でのんびりしている時よりも桁違いに高くなる。 じゃあ鎧を着けたら危険になるのかというと、 そうじゃなくて、 そもそも危険な所に行くことが危険なのであって、 それを鎧を使って緩和しても、行かないよりは危険なんです。

U「シートベルトすると安心して危険運転してしまうので事故になる、 みたいなことはないですか?

ふ「どうなのかな、そこまで余裕というか考えて運転していないような気もするけど。 ちなみに、運転者の死亡率はどうなのでしょうか?

U「着用死者809人に対して非着用死者が898人。 着用率は95%だから、 809 × (5 / 95) = 42.5 ということで、 今度は圧倒的に死亡率が高い。

ふ「同じ割合で死者が出るとしたら42.5人になるはずなのに、 実際は898人も死んでますからね。

U「つまりシートベルトしていないと死ぬと。

ふ「だとすると、 後部座席の場合と矛盾しているのでは。

U「いや、そんなことはないでしょ。 シートベルトをすれば、後部座席の場合は死亡率が高くなるが、 運転席の場合は死亡率が低くなる。 別に矛盾はしていない。

ふ「長くなったのでここで一旦きります。

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コメント

長文でよく理解できなかったけど、「一般に想定されるレベルの事故にあった場合の死亡率などはそれぞれいくつか?」がわかればいいのでは? (そしてたいていそれが書いてない。)

投稿: すのもの | 2008.06.01 23:25

前のコメントは、ベルト着用の有無は事故遭遇率には関係ないと決めつけて書きました。もし関係あるというなら、「一般に想定される運転のしかたをしている場合の死亡率はそれぞれいくつか」が知りたいところのものです。

投稿: すのもの | 2008.06.05 01:17

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