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昼間に話のネタに出てきたシンプソンのパラドックスの話

この本に出ている。

シンプソンのパラドックスの話は、1章の4「事象と確率」(p.33~35) のところだから、かなり最初の方に出てくる。要約すると、こういう内容。

ある治療法Tを40人に対して行ったら20人が治癒して、Tを行わなかった40人に対しては、16人が治癒した。この場合、T を行っって治癒する確率は 20/40 = 0.5、行わないで治癒する確率は 16/40 = 0.4 だから、「Tを行った方が治癒率が高い」という結論になる。

この実験の内訳を男女別に集計した。

男性
T を行って治癒した人は 18人、治癒しなかった人は 12人。
T を行わずに治癒した人は 7人、治癒しなかった人は 3人。
Tを行って治癒する確率は18/(18+12)=0.6、
Tを行わずに治癒する確率は7/(7+3)=0.7
従って、男性に限れば、Tを行わない方が治癒率が高い。

女性
T を行って治癒した人は 2人、治癒しなかった人は 8人。
T を行わずに治癒した人は 9人、治癒しなかった人は 21人。
Tを行って治癒する確率は 2/(2+8) = 0.2
Tを行わずに治癒する確率は 9/(9+21) = 0.3
従って、女性に限れば、Tを行わない方が治癒率が高い。

これをシンプソンのパラドックスという。

これは交換可能という概念で解釈できるという話が同書に出てくるのだが、他には 4.7 で出てくるドフィネッティの定理のように、ベイズ系に関連度の高いネタが簡潔に紹介されていて、読みやすい一冊だと思う。ただし、内容的には大学の理系レベルの知識が必要。

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コメント

ちなみに bk1 の書評がかなり面白い。

投稿: phinloda | 2006.02.02 04:53

これって、自然数を成分とする2×2行列 A, B で det(A) > 0 かつ det(B) > 0 だが det(A+B) < 0 となる例、ってことですよね?

このあたりを私の「いろいろ」に今晩アップロードする予定です。

投稿: すのもの | 2006.02.04 22:16

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