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書評: たけくらべ

たけくらべ
樋口 一葉著
集英社文庫
ISBN4-08-752044-7

柿色に蝶鳥を染めたる大形の裕衣きて、黒襦子と染分絞りの昼夜帶胸だかに、足にはぬり木履、ここらあたりにも多くは見かけぬ高きをはきて、朝湯の帰りに首筋白々と手拭さげたる立ち姿を、「今三年の後に見たし」と廓がえりの若者は申しき。
(pp.18-19)

私のレベルでは、この種の本は、解説とか、注釈がポイントになってしまう。原文だけなら、既に著作権の保護期間は切れていて、Web でも全文読むことができるのだが、それだとちょっと辛い、という人には、この集英社文庫が見やすいと思う。

巻末の「鑑賞」というところに書いているのが、歌人の俵万智さんなのだが、最初に読んだときに、この文体とかリズムの妙味に気付かなかったという趣旨のことを書いておられるので驚いた。歌人といえば、表現のリズム感に、最も敏感であるはずの人達なのだ。その俵万智さんでも、高校生の時にそういう失敗をしてしまったというのが意外だったのだ。

およそ文学少女というのは、高校生の頃というのは読書に没頭するような一時期で(かなり先入観が入っているかもしれないが)、そういうこともあるのかな、というのが面白い。

引用したのは美登利を描写した箇所である。これを声を出して読まないと分からないというのは、まさにその通り。

ただし私の場合、今更のように「たけくらべ」を読んだ理由は、ここのところ深夜アニメでガラスの仮面をやっていて、ちょうどマヤがそれを演じる所にさしかかったので、そういえばどんな話だっけ、と思ったのである。私の場合は「最初気付かなかった」どころか、ストーリー全体を忘れているという始末で話にならない訳だ。だいたい美登利という名前が出てくると、たけくらべではなくて清原なつの氏のマンガの方をイメージしてしまうのである。

ガラスの仮面の話に戻すと、別に「たけくらべ」を正確に表現するための話ではないので、かなり端折っていたというか、正直に書かせていただくと、どうしてこれが名演技なのか謎だったような気もするわけだが、まあ一度は読んでおいた方がいいかな。名作かもしれないが、ものすごく感動するという話ではないと思うので、それは覚悟しておいて欲しい。


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