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書評: 真剣師 小池重明

真剣師 小池重明 (幻冬舎アウトロー文庫)
団鬼六 著
ISBN4-87728-459-1

「どんな分野でもそうだと思うのですがとりつかれたり、狂ったりするのは三年ぐらいがいいところじゃないですか。あとは惰性で勉強して充分だと思うんです」
(pp. 44-45)

小池の言ったという言葉である。プロとアマの間には歴然たる壁があるというのが定説である。言い換えるならば、どんなにレベルの高いアマでも、プロには及ばない、ということだ。もっとも、この本の解説を書いている大沢在昌氏は、物書きの世界はそれほど歴然とした差はないと述べている。もちろん、プログラミングの世界でもこの法則は成り立っている、と言いたいところだが、最近は素人が書いたプログラムが平気で製品になって世の中に出ているような気がしないでもないが…いやその…。

ところがこの本の主人公、小池氏は、いわゆるプロ棋士ではない。いわゆると書いたのは、つまり、プロになるためには、まず奨励会というものに入り、将棋連盟の試合に勝ち続けなければならない。小池氏はその手順を踏まなかったのである。しかし、小池氏はある意味本物のプロである。金を賭けて将棋を打つのだ。だから、アマチュアのくせにプロに勝ちまくる。その実力の高さゆえ、一度は特例として手順を踏まずにプロにしてはどうかという話まで出るのだが…。

小池氏の問題は、生活態度が最悪であるという所にある。サラ金から金を借りまくって、ドロンする。世話になった人から金を盗んで駆け落ちする。要するに、将棋以外のことは何をやってもダメなのだ。こんな人が本当にいたのかと思うだけでゾクゾクする。

この数奇な棋士の晩年を支援したのが団鬼六氏である。団氏といえば今更説明する必要もない文豪だが、この本、読んでいると何となくアレを思い出す。阿佐田哲也氏の麻雀放浪記だ。

賭け将棋なのだから、成程これは賭け麻雀と通じることがある。ちなみに、この本には棋譜は出てこない。将棋が好きだという人なら、もう一冊、「真剣師 小池重明 疾風三十一番勝負」(bk1では取扱できないようだ) に、小池氏の棋譜が出ていたと思う。

つまり、この本、将棋を知らなくても読める。勝負が始まったら、早ければ次の行で決着が付く。小池の勝ち。それで終わりだ。だから将棋のルールなんて全然関係ない。その点は安心していい。

まあギャンブルは嫌いだという人には面白くないのかもしれない。

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